広島地方裁判所 昭和35年(ワ)341号 判決 1962年2月27日
広島県安芸郡船越町花都
原告 X
右訴訟代理人弁護士 原田香留夫
馬渕正己
外山佳昌
荒木宏
東京都中央区銀座東四丁目三番地、日本芸能会館内
被告 Y
右代表者代表取締役 Y1
右訴訟代理人弁護士 三宅清
佐々野虎一
江島晴夫
角田好男
右当事者間の昭和三五年(ワ)第三四一号慰藉料等請求事件につき、当裁判所はつぎのとおり判決する。
主文
原告の請求を棄却する。
訴訟費用は原告の負担とする。
事実
原告訴訟代理人は、「被告は原告に対し金二〇万円及びこれに対する昭和三五年六月一日から右支払済にいたるまで年五分の割合による金員の支払をせよ、被告は原告に対し中国新聞通し版及び朝日新聞中国五県版各紙上に別紙記載の謝罪広告を二段抜き紙面をもつて、題目は三号、原被告の氏名は四号その他は五号活字により各一回掲載せよ、訴訟費用は被告の負担とする。」との判決を求め、その請求原因としてつぎのとおりのべた。
一、原告は昭和九年七月一〇日生れで、昭和二九年三月島根県川本高校を卒業後、日本国有鉄道広島県海田市自動車営業所に営業係(車掌)として勤務している者であり、被告はニユース映画の編集、報道を業とする株式会社である。
二、被告は、「赤字線」なる題名のもとに、読売国際ニユースの録音付カメラ、ルポルタージユを作成する目的で、その取材のため、昭和三五年四月二〇日頃、被告会社黒川社員を前記海田市自動車営業所に派遣し、右営業所兼石所長に対し「国鉄鉄道線中赤字線の紹介をするのだが、鉄道線が赤字になつている意味を説明するために、鉄道路線とバス路線の併行している箇所で両者を対比して、バスの方が多数の乗客を引きつけている状況、とくに特急ひかり号の運行状況を撮影したい。乗務車掌は女性にしてもらいたい。」旨並びに撮影場面として右バスの始発点、広島市紙屋町所在の広島バスセンターで客を乗せるところ、中間地点一箇所で走行中のひかり号の後方と車内とを選びたい旨告げて、同月二四日に広島、呉両市間の国鉄バス安芸線の特急ひかり号の撮影をすることについて協力を求め、右兼石所長は、安芸線が国鉄バス路線中走行粁と黒字成績で全国一位を誇り、また乗客に対する奉仕面その他で民間、公営バスにみられない好評を博していたので、国鉄バスの存在と価値を宣伝紹介する好機であると思つて協力を約した。
原告は右撮影当日非番であつたが、とくに午前九時一五分広島発特急ひかり号に車掌として乗務することを命ぜられ、上司から前記黒川社員の申入れた撮影の趣旨、要領について指示説明をうけ、同車に乗務して車掌勤務に服するかたわら、前記中間地点での車内撮影のため、停車地点でない安芸郡坂町水尻地区で二回にわたり臨時停車してカメラマンを乗降させるなどして右撮影に協力した。
三、被告は右ひかり号の車内撮影写真をその一部に使用して、読売国際ニユース第五八二号の一部をなすカメラルポ「赤字線」と題するニユース映画を編集し、全国の松竹系映画館、広島市では「文映」「東洋座」「銀座東宝」「中央映劇」その他の一流映画館に配給し、同月二六日から一週間(広島市内では同月三〇日まで)にわたつて一斉に上映させた。
そして、右映画の内容はつぎのように構成されている。すなわち、全国の国鉄鉄道路線中でももつとも異常極端な赤字線の運行状況等数場面の録画に、その解説として「国鉄、中央線。新宿~松本間に急行アルプス号が華々しく登場、今迄より一時間五分のスピード、アツプとなりました。ところで国鉄線のうち黒字なのは東海道線など表街道の、わずか一五の幹線だけで、あとの二一〇のローカル線は赤字線です。千葉県の木原線は有名な赤字線でデイーゼルカーはガラ空き、駅員のいない無人駅をつくつて経費の節約をはかつています。売り上げぜんぶで金三百円也です。こちらは福岡県の甘木線。かつて太刀洗飛行場の表玄関として毎日五、六千人もの乗降客があつたこの太刀洗駅も今では一日百人足らずのお客さんしかなく、この線一年間の赤字は一千万円以上といわれます。阿蘇のフモトを走つて熊本と大分を結ぶ豊肥線は急勾配のため列車のスピードが出ません。レールと併行して走る民営バスにお客をうばわれるばかりです。」との録音を付し、広島バスセンターにおいて旅客がバスに乗車する場面の録画に、解説として、「国鉄バスと私鉄系の民営バスが同居する広島市のバスセンターは又国鉄と私鉄の決戦場でもあります。」との録音を付し、走行中のひかり号の車体を大写しにした後、右車内における原告の容姿、容貌を大写しにした録画に、解説として、「まず国鉄バス。車体は立派ですが車掌さんは、つんとすましかえつています。」との録音を付し、広島電鉄宮島線バス内において、女子車掌が車外風景その他についてガイドし、右車内の花瓶に花がさしてあり、車掌が乗合せた子供に窓を開けてやる光景の録画に、解説として、「次は民営バス、車掌さんはバスガイドも兼ねて名調子、車内の隅々までサービスが行き届いています。」との録音を付し、「国鉄は赤字解消策として、バスへの切替えを考えている様ですがはたしてうまくゆくでしようか。」との解説録音をもつて終了するものである。
四、被告は国鉄の合理化を、国鉄労働者の労働強化、民営移管その他国民大衆の一方的犠牲において強行しようとする独占資本の意図に同調し、前記のとおり、安芸線は国鉄バス路線中営業成績が優秀である事実、原告は平素から職務上乗客に対し誠実を旨とし、明朗快活で、かつて乗客に不愉快な印象を与えたことがないのは定評のある事実であるところ、これらの事実をことさらに歪曲し、原告とその職場である国鉄を誹謗する目的のもとに右映画を作成することを計画し、しかもその意図を秘して原告等に撮影について協力を求めたものである。すなわち、広島、呉間は国、私鉄バスとも、観光客専用便を除いて風光、名勝等のガイドをすることは異例で、しかも原告の乗務したひかり号は右区間の無停車特急便で、乗客は主に通勤、商用者であるから一そうガイドの必要もないのに、右車内において瞬間的の原告の容貌、姿態を撮影録画し、一方、各社とも観光客を主体として車内における観光ガイドにつとめる宮島線の広島電鉄バスを、とくにその路線名を伏せたうえ、車掌が車内においてガイドする画面を登場させ、あたかも、原告がひかり号車内でガイドをしないのが業務上怠慢であり、またそれが常態であると印象づけるべく表現し、「国鉄バス。車体は立派ですが車掌さんはつんとすましかえつています。」との解説録音により観衆の哄笑と原告及び国鉄に対する嘲弄、憐憫をそそるように作為し、もつて、国鉄バス安芸線があたかも映画冒頭の赤字鉄道線にひとしく、これら国鉄営業不振の原因が、ひかり号車内における原告のように、職員の業務態度不良に起因し、そのため国鉄のバス切替えによる赤字解消策も成果が期待しがたいことを観衆に印象づけることを企図して編集されたものである。
五、原告は右映画上映当時国鉄勤務六年に及び、勤務成績優秀で、その所属する国鉄労働組合では中国自動車支部の婦人部副部長、広島地方本部地方委員の地位にあり、故郷の父母に対しても月々の仕送りを怠つたことがなく、公私ともにきわめてまじめな生活をしており、日常の立居振舞や女性としての容貌姿態についても通常の女性に劣るところはなく、そして婚期にある女性である。しかるに、被告は右映画上映により前記四記載のように原告が勤務態度不良の国鉄職員で、一般国鉄職員も原告の如き態度であり、かつ原告が無愛嬌、冷淡な女性であるとの事実に反する非難を加え、もつて原告を侮辱するとともに原告の職場、知人、交友はもとより一般大衆の原告に対する人格的評価を傷つけ、国鉄労働組合に対しても、原告は組合役員として国鉄の合理化五箇年計画に反対していたのに、原告の如き業務態度では国鉄のバス事業経営に不安があり、そのため赤字線の廃止、民営移管等合理化を促進する事情の一因を原告みずから作出し、組合に対し背信行為をしたような印象を与えて原告の組合役員としての名誉を傷つけたものである。
もつとも、右映画において原告の住所、姓名は明らかにされていないが、その画面からすくなくとも安芸線地区の観客の大部分には原告がひかり号の車掌として登場したことが判るのである。
さらに、特定のバス車中で、特定の車掌、とくに被撮影者が若い未婚の女性であるばあいには、これを撮影するに本人の承諾を要するというべきところ、被告は、もし、原告において前記四記載の被告の映画作成の意図が判つていれば撮影を拒否したであろうに、その意図を秘して撮影を申込み、原告を欺罔して撮影したのであるから、右撮影自体原告の肖像権を侵害する違法な行為である。
六、原告は、被告のなした右名誉毀損、肖像権の侵害によつて、すくなからざる精神的苦痛をうけたから、被告はこれが賠償をする義務がある。そして右は原告が前記経歴を有し、現に国鉄営業係職員で一六号俸月額一一、三六〇円の給与をえていること及び婚期にある女性であること、被告の業態、名誉毀損の態様等から、金二〇万円の慰藉料の支払と、請求趣旨記載の謝罪広告の掲載をもつて相当とする。
よつて、原告は被告に対して金二〇万円及び不法行為後である昭和三五年六月一日から右支払済にいたるまで民事法定利率年五分の割合による遅延損害金の支払と前記謝罪広告の掲載を求める。
被告訴訟代理人は、請求棄却の判決を求め、事実に対する答弁としてつぎのとおりのべた。
一、原告主張事実中一記載の事実は、被告がニユース映画の編集、報道を業とする株式会社である点は認めるが、その余の点は不知、二記載の事実は、黒川社員においてひかり号乗務車掌を女性にしてもらいたいと申入れた事実は否認する、原告主張の安芸線か、その主張の業績、好評を博していた点、兼石所長が撮影に協力を約したのが国鉄バスの存在と価値を宣伝紹介する好機であると思つたことによる点、原告が本件撮影当日非番であつた点及び原告が当日ひかり号乗務にあたり上司からその主張の如き指示説明をうけた点はいずれも不知、その余の点は認める、三記載の事実は認める、四記載の事実は、ひかり号が広島、呉間の無停車特急便である点は認める、安芸線が原告主張のとおりの営業成績である点、原告の平素の勤務態度がその主張のとおりである点及びひかり号の乗客が主に通勤、商用者である点はいずれも不知、その余の点はすべて否認する、五記載の事実は、原告の経歴、地位、素行に関する点は不知、被告の本件映画により原告主張のとおり、その名誉を毀損した点は否認する、六記載の事実は原告の地位、給与に関する点は不知、その余の点は争う。
二、被告の本件行為はつぎにのべるところにより違法性がない。すなわち、
(1) 原告の指摘する「車掌さんはつんとすましかえつています。」との解説はある程度画面と一致しており虚偽の事実をのべたものではない、原告は特定瞬間における容貌姿態をとらえて撮影したと非難するが、いかなる瞬間をとらえるかは撮影者の意思感覚にまかせられるべきことがらで、これを非難するのは報道表現の自由を制限するものである。しかも前記の解説に際しては原告の姓名を明らかにしたわけでもなく、国鉄の営業成績の不振の原因と原告とを結びつけたわけでもない。被告は右映画を、国鉄が民営企業に伍し、国民一般に親しまれる交通機関として健全に発展すること念願する意図のもとに現状を批判しようとして作成したものであつて、その行為になんらの違法性がない。もつとも、映画の構成に多少の濶色がみられるとしても、ニユース映画の性質上やむをえないことである。
(2) 名誉毀損による不法行為ありというのには、被害者が名誉を毀損されたと主観的に感じるだけではたらず、一般通常人がそのように感ずるものであることを要する。原告は本件映画上映の際、観衆の哄笑と嘲弄、憐憫をかつた旨主張するが、それは原告の主観にとどまるもので、客観的なものではない。とくに「車掌さんはつんとすましかえつています。」との表現は、原告の美醜とか性格の良否にふれた言葉ではないから客観的に原告の名誉を毀損する性質のものではない。
三、なお、原告は謝罪広告の掲載を請求するが、判決で謝罪広告を命ずることは、被告の判断や感情を強制し、不当かつ不必要な屈辱を強いるから、民事責任が行為者に対する公的制裁という意義を失い、被害者が被つた損害の合理的填補ということを目的とする今日では、右の目的をこえた不必要な副効果をのこすものとして許されないというべきである。
立証として、原告訴訟代理人は甲第一、第二号証の各一、二、第三号証を提出し、証人今本棟士、松本政一、酒井義雄、兼石勝治の各証言、原告本人尋問の結果及び検証(第一、二回)の結果を援用し、被告訴訟代理人は証人黒川学、釜原武の各証言を援用し、甲各号証の成立を認めるとのべた。
理由
被告がニユース映画の編集、報道を業とする株式会社であり、同社の黒川学カメラマンをして昭和三五年四月二四日国鉄バス安芸線の午前九時一五分広島発、呉行特急ひかり号につき同線中間地点である広島県安芸郡坂町水尻地区で走行中の車体と原告が車掌として乗務せる車内の光景を撮影せしめ、これを一部として使用し、読売国際ニユース第五八二号の一部として、カメラルポ「赤字線」と題するニユース映画を編集し、全国の松竹映画館等に同月二六日から一週間(広島市内では同月三〇日まで)にわたつて一斉に上映したこと、右映画の内容が請求原因三記載の録画と解説録音とにより構成されていることは当事者間に争いがない。
証人釜原武、黒川学の各証言と検証(第一、二回)の結果によると、右映画は、国鉄がその公共的性格その他から多数のいわゆる赤字鉄道路線をその経営傘下におく現状を批判し、かつそのための経営不振の解消策としてバス事業への切替えを計画していることを時事問題として取上げこれを一般大衆に報道する目的で編集されたものであることが認められる。
原告本人尋問の結果と、前示検証の結果によると、映画中原告の姿態が大写しにされた画面は、車内撮影中原告が黒川カメラマンに対し、原告のとるべき態度をたづねたのに対し、同カメラマンは通常のままでよい旨指示したので、原告は平常の乗務どおり乗降口にあつて進行方向の前方及び左方を注視していた際、その姿態が撮影されたものであること、そして、右画面に映された原告の態度、表情は右画面についての解説のように「つんとすましかえつています。」というべきものでなく、いわばごく自然の態度、表情にすぎないもので、したがつて、右解説は画面における原告の態度、表情を如実に描写したものとはいい難いし、また右映画が、国鉄バスと民営バスを、乗客に対する「サービス」の点において比較するについて、後者の「サービス」のよい点の紹介により多くの画面と解説をあて、かつこれを偏重して、国鉄バスの「サービス」が民営バスに比し劣ることを観客に誇張的に印象づけようとした製作意図があつたことは否定できないところである。しかしながら前示検証の結果によれば「車掌さんはつんとすましかえつています。」との解説は右のように画面における原告の態度、表情にそぐわない誇張されたものであるが、右映画全体の関連においてこれを理解すれば、その言葉は一般に国鉄バスが民営バスに比し「サービス」の劣ることを印象づけるべく象徴的に語られているものであつて、原告の車掌としての「サービス」ぶりに向けられた非難というよりも、むしろ、公企業たる国鉄における客扱い一般を批判し、非難しているものと解せられる。そして、ニユース映画が一般大衆に時事問題を迅速かつ簡明に理解しやすいようその編集を要請されることからすると、事実と報道との間に若干の相違と、理解を便ならしめるため多少の潤色、誇張をともなうのはある程度やむをえないことがらであつて、本映画の右誇張も、これを観察してうける印象は、被告の映画作成の前示企図を観客に理解しやすくするためになされたもので、とくに原告個人を誹謗しまたは蔑視するの意図を含むものではないと認められる。
右認定事実によると、右映画はその作成意図と映画から与えられる客観的印象とにより、いまだ原告の名誉感情を害し、または原告の人格に対する社会的承認、評価を誤まらしめるべき性質のものでないと解するのが相当である。もつとも、原告が特に適任として選ばれ、国鉄バスひかり号の宣伝に役立つものと期待し、休日を犠牲にしてまで右撮影に協力したのに、右映画上映の結果が、その期待に反した点と前示の右映画に誇張があつたことにより悲憤の情にかられ主観的に侮辱せられたと感じたことは証人酒井義雄の証言、原告本人尋問の結果によりこれをうかがうに十分であるが、侮辱ないし名誉毀損がありというには、被害者がそのように感ずるだけではたらず、通常人もそのように意識すべきものであることを要すると解すべきである。そして、前示検証の結果並びに弁論の全趣旨を綜合すれば、右映画はせつかく好意的に前記撮影に協力した原告に対し儀礼的な意味において失礼に当るものとは考えられるけれども、右映画から受ける客観的印象は、これにより原告が侮辱され或はその名誉を毀損せられる程度に達したものとは認め難いから、その侮辱ないし名誉毀損の不法行為ありとするに至らないというべきである。
原告は、右映画により原告の職場である国鉄が誹謗された旨主張するが、国鉄に対する誹謗即原告に対する誹謗とはいえないのみならず、右映画は上来説明したところから国鉄営業に対する批判の域をでないというべきで、国鉄の業務を妨害し、その信用を害するものではないとみるのが相当である。そして、公共の施設に対する批判は民主主義国家においては何人にも当然許さるべきものである。
原告は、被告において、原告及び国鉄を誹謗する意図を秘して撮影についての協力を求め、原告を欺罔してこれに協力させ、その姿態を撮影して肖像権を侵害した旨主張するところ、被告に原告主張の意図があつたと認められないことはさきに説明したとおりであり、被告が原告を欺罔して撮影に協力させたことを認め得る証拠は存在しない。また、証人黒川学、兼石勝治の各証言によると、黒川カメラマンは右撮影前国鉄の赤字線についてのニユース映画の取材として、広島、呉間の国鉄バスを撮影したい旨を原告の所属する海田市営業所兼石所長に申出で、同所長や原告は、安芸線の経営が優秀であるので鉄道赤字線に対比して、その宣伝に役立つものと考えてこれに協力し、本件撮影に協力したことが認められ、右によると右の取材が原告らの期待したように編集されなかつたことは否めないが、とにかく、原告は撮影を承諾していたのであり、被告の企図が公共のための報道にあつて、原告個人の姿態、容貌を紹介、批判するためでなかつたのであるから、右肖像の使用が違法であるというにもあたらない。
そうすると、右映画をもつて、原告に対する侮辱、名誉毀損、肖像権侵害による不法行為を構成することを前提とする原告の本訴請求は、理由がないから失当としてこれを棄却すべく、訴訟費用の負担について民事訴訟法第八九条の規定を適用して主文のとおり判決する。
(裁判長裁判官 松本冬樹 裁判官 長谷川茂治 裁判官 小島建彦)